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熱帯スイレンの冬越し方法

熱帯スイレン冬越し方法


熱帯スイレンの冬越しには皆さんも色々ご苦労されていることと思います。
Berry's Water Gardenでも、どの方式が一番確実性があるのか試行錯誤しています。
そこで、現在わかっている方法をまとめてみることにしました。

私が初めて熱帯スイレンを育てた年は恥ずかしながらキング・オブ・サイアム以外の熱帯種全ての越冬に失敗してしまいました。

屋内には取り込んではいましたが、倉庫や離れといった日頃人がいないところに置いていたため何度かの寒波の際、水温が5度以下になったようで休眠から目覚めることなく★になってしまいました。

2年目からは温調器とヒーターで加温管理をし、3年目からは品種も増えたので90cmのらんちゅう水槽を購入して全てまとめて加温管理しています。

今年で栽培3年目の短い経験ではありますが、越冬失敗の原因を考えてみると下記の2つの要因が考えられます。

?、温度管理を失敗して休眠から目覚めない。

?、カビなどの雑菌に感染して腐る。


?、の温度管理ですが熱帯スイレンですから当然寒さには弱い植物です。寒くなると葉を落として暖かくなるまで休眠をします。
熱帯スイレンが安定して休眠する水温は10℃~12℃と言われています。また、5℃以下にならないように注意しなくてはなりません。

熱帯スイレンはあまりにも低い水温になると休眠が一層深くなり、暖かくなった刺激だけでは休眠打破ができなくなるようで、実際、Berry's Water Gardenでも休眠3年目のマイアミ・ローズのバルブがあります。バルブは堅いままなので生きてはいるようですが・・・。

温度管理のこつは水温を下げすぎないことです。また、反対に高すぎると休眠せず成長もできないので株が弱ってしまいます。
加温管理する場合、12-14度になるよう設定するのですが市販の観賞魚用温度コントローラーは最低温度が15℃までしかなく12-14℃に設定することができません。そこでうちでは、産業用の温調器で温度コントローラーを作って越冬管理しています。(11℃になるとヒーターをONにして14℃でOFFにします。温度幅があるのは12℃に固定するとON-OFFを繰り返して1日中機器が作動して「かちゃかちゃ」うるさいからです。)

?、感染症ですが、越冬している用土(バルブの周り)が黒っぽくなってしまうことがあります。バルブ本体の成長点は白っぽく膜を張ったようになり周辺部は黒いすすのような物が覆っています。推測ですがバルブにカビなどが生えて根や薄皮を腐らせてその残滓が用土の上に落ちてしまっているのかもしれません。

現在行われている越冬方法はこれら2項目の防止を主眼におかれていると思われます。

特に最近注目されているのが泥団子方式やスチールウール方式です。
バルブの環境を低酸素状態にすることで雑菌の繁殖をおさえ、バルブが感染症にかからないようにしていると思われます。

泥団子方式はバルブを泥で包んで密封してそのまま部屋内で越冬させる方式で、置き場所も小さくてすみます。

スチールウール方式は密封式のガラス瓶に用土から取りだしたバルブをスチールウールと一緒に入れて密封します。
水中の酸素がスチールウールと反応して錆びることで人工的に低酸素状態を作り出し、カビなどの雑菌の繁殖をおさえ感染防止になっていると思われます。

これらの方法がどれぐらい効果があるのかは実際に試していないので私にはわかりませんが(同じ品種のリザーブがいくらかあれば失敗しても絶やすことはないので安心して実験することが可能ですが、親株だけですと失敗したときのリスクの方が高く新しい方法を試す勇気がありません。)これまでの経験上、越冬対策として有効な手段でないかと思います。

現在、越冬方法として一般的に普及している方式は下記の通りです


?、無加温式屋内越冬法


  (鉢ごと水に沈めて屋内に取り込む方法)

このは熱帯スイレン冬越しのオーソドックスな方法です。
鉢ごとバケツや水槽に入れて部屋内に取り込んで管理します。今の住宅では部屋の気温が氷点下近くになることは無いのでほとんどの方がこの方法をとられていると思います。温度管理していないので寒い地域では失敗も多いようです。保管場所も色々で、鉢を蓋付きバケツに入れてトイレに置いたり、冷蔵庫の上に置いたりされてる方もおられます。




?、加温式屋内越冬法


  (水槽などに鉢ごと入れて観賞魚用のヒーターで加温管理する方法)

寒い地域では有効な管理方法です。水温の極端な低下を防止できるので越冬の成功率が高くなります。デメリットとして電気代がかかります。

Berry's Water Gardenではこの方法を採用しています。ヒーターと温調器を使い加温して11度を下回らないよう約12度~14度を保つようにしています。




?、バキューライト埋設式越冬法


  (バルブを掘りあげて湿ったバキューライトに埋め込み屋内に取り込む方法)

場所をとらないので良いのですが、なかなか管理が難しく空気に触れるのでカビが生えてバルブを腐らせてしまうことも多いようです。




?、泥団子式越冬法


  (バルブを掘りあげて赤玉土の泥だんごに包みクーラーボックスに入れて屋内に取り込む方法)

泥団子を作るときに出来るだけ空気を抜いてバルブを低酸素状態にしてカビなどの雑菌の繁殖を抑え、クーラーボックス等に入れて屋内に保管します。




?、スティールウール密封式越冬法


  (バルブを掘りあげて密封されたジャムなどのガラス容器に水とスチールウールを入れて密封しクーラーボックスに入れて屋内に取り込む方法)

スチールウールの鉄分が水中にとけ込んでいる酸素と反応してスチールウールが錆びることでと水が低酸素になりカビなどの雑菌の繁殖を抑えバルブへの感染を防止していると思われます。




泥団子方式は昨年のNHK趣味の園芸で取り上げられていた方法ですが実践された方の成績はいかがだったのでしょうか?気になるところです。NETで探しましたが結果記事が見つかりませんでした。情報お持ちの方は教えていただけると幸いです。


今年の冬越しを振り返ってみると、バルブが直接水中に出ているものと完全に土に埋まっているものを比べた場合、後者の埋めたほうには越冬の失敗はありませんでした。
成長点が水中に露出していたピンクカペンシスとドウベンは白いカビのようなものが生えて、いつまでも芽を出さないので掘り出して確認したところバルブが腐っていました。越冬中にカビなどの雑菌に感染したようです。

今年、15品種も増やしてしまい総計が25種になってしまいました。鉢数も30個を超えており来年の越冬方法をそろそろ考えておいた方が良い時期です。従来からの鉢ごと水中越冬だと今年の倍のスペースを必要としますので品種が多くなると場所の確保も大変です。

そこで来年はこれまであたためていた越冬方法を一部導入してみようと思います。

1つは、従来通り鉢を水槽に沈める方式ですが、沈めるときに1~2サイズ小さな鉢に植え替えて、バルブも上に土をのせて土中に埋め込みます。

熱帯スイレンの場合、5号鉢ぐらいが家庭では管理しやすいサイズなのですが越冬させる場合結構スペースが必要です。そこで一度鉢から株を抜いて根と用土をカットし、4号鉢に植え替えます。(この時点で一度オーソサイド溶液で消毒するのも良いかもしれません。)バルブの上部が水中に出ているとカビ等が感染する可能性が高くなるので用土で覆って埋めてしまいます。

皆さんも経験したことがあると思いますが、親株がダメになった場合でも増殖した子株は大丈夫なケースは多いと思います。子株は土中に埋もれていることで、バルブの環境が低酸素状態になりカビなどの雑菌の増殖が抑えられ守られたと考えられます。
こういうケースでは親株の上部は大体水中に露出したままです。そのような経験から今年は覆土して埋めてみることにしました。




もう1つは、スチールウール方式の改良でスイレンが休眠したら用土から掘り上げてバルブだけにして、オーソサイドで消毒します。
消毒後、密封できる保存容器に移し、水道水を使わず半導体の製造で使う超純水(純粋なH2Oで酸素などが溶け込んでいない水)を容器に注ぎます。
スチールウールを一緒に入れるのは水を注ぐときに空気を取り込む可能性があるからです。
保存容器は、そのまま他の鉢と一緒に水槽に沈めてヒーターと温調器を使い加温管理します。





今年の冬は、今までの加温式屋内越冬法と合わせ、実験として上記の2方式を試してみようと思います

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【2008/08/30 12:55】 熱帯スイレンの冬越し対策 | TRACKBACK(0) | COMMENT(7)
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水葵




水葵


大阪に残っている数少ない水葵の自生地を1年ぶりに訪ねてみました。

数年前に比べてだいぶ数が減っていました。

ナガバオモダカと思われる植物が以前にも増して繁殖していました。

ナガバオモダカは多年草でそれに比べ水葵は1年草なので繁殖力の差が出たのでしょうね。

観察したところ、うちの水葵に比べて花や葉が大きく色も濃い感じがします。

大阪では、ここともう1箇所の2箇所しか自生地は確認されていません。

住宅と工場が密集した用水路に自生しています。初めて見たときは、「え!こんなところに?」とびっくりしました。
よほど生育環境が良いのでしょうね。





【2008/08/28 19:47】 Water Garden - ミズアオイ | TRACKBACK(0) | COMMENT(1)
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今日のスイレン




今日
スイレン


ここのところ気温も低く涼しくなってきたのが良かったのか、久しぶりにN.Peaches And Creamが開花しました。温帯種はコロラドがほぼ定期的に咲いていますが今年未だ咲いていない品種も3種類有ります。

肥料は与えているのですが何か咲く要素が足らないのでしょうね、

また、一部の熱帯種で花上がりが悪くなり追肥をしたところ花芽が上がるようになりました。
肥料を与える期間ですが今年様子を見ていると少量をこまめに2週間間隔ぐらいで与えるのが良いようです。

しかしながら根が張った鉢は肥料をねじ込もうとしても根が張っていて受け付けてくれません。IB化成肥料を中に入れたまま土にさせるようなスティクタイプのホルダーが有れば良いのですが・・・来年は試作してみようと思います。

写真は花芽がついたN.Pride of Nakasu 2号、3号鉢です。

N.St.Louis Goldが2本 クロス咲です。











【2008/08/27 18:57】 Water Garden - スイレン | TRACKBACK(0) | COMMENT(2)
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今年最後の蓮




今年最後


即非蓮です。

今年最後の開花になりました。

お盆にN.First Ladyが咲き、毎葉蓮が咲いて終わったと思ってましたが、なんと伏兵がいてました。

これまでの花と比べて花の高さは2/3ぐらいで低いですが、色の濃さは一番かもしれません。

茶色くなってきた葉をバックに何とも寂しげな花姿です。

ちなみにこちらは最後の花と信じていた毎葉蓮 最後の姿です。







【2008/08/26 17:32】 Water Garden - 蓮 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)
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今日のスイレン(熱帯種)




今日
スイレン


N.Blue Beautyが3輪咲きになりました。

あまりに一直線なので撮ってみました。

大睡蓮鉢は4品種が咲いています。



【2008/08/25 16:11】 Water Garden - スイレン | TRACKBACK(0) | COMMENT(2)
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ムカゴ




ムカゴ


最近ムカゴの話題が多いので我が家のムカゴを撮ってみました。

N.Rubyですが葉を裏返して約1.5週間の状態です。

真ん中から伸びているのが成長点で、下の方に根らしき白い糸みたいなのが出ています。

ムカゴというのはバルブ(球根)の小さなものです。言い換えればこのムカゴが成長して大きなバルブになります。

このまま2-3週間置いておくと根が出て苗の状態になります。

3枚目の写真はN.Daubenのムカゴです。自然の状態で葉が溶けて葉茎の先に葉と根がでたムカゴがついています。

この状態になれば植え付け可能です。

N.Daubenの親株は越冬失敗しましたが、ムカゴが育ってくれたおかげで絶やさずに済みました。

そんな経験から、今年はN.Rubyのムカゴをリザーブで育てています。





【2008/08/24 22:08】 Water Garden - スイレン | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)
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今日の水葵




今日
水葵


今日水葵の様子を見に行くと葉が茶色くすすけたようになっているものがいくつかありました。ハダニが発生しました。去年も同じような時期にハダニが発生して全ての株が立ち枯れのようになってしまいました。
昨年はオルトランの顆粒を容器の水に蒔いてみましたがハダニには効きませんでした。
今年はマラソン乳液を購入して2000倍に希釈した薬剤を散布してみました。
いくつか蛾の幼虫は落ちましたが、ハダニは動いています。効いているのか不安です。

そこで市販のスプレー式殺虫剤も追加で使用しました。こっちは結構効いたみたいです。

物干し場の透明屋根付き状態で栽培しているので葉水をしていません。乾燥と高温がハダニ繁殖の原因のようです。





【2008/08/23 12:11】 Water Garden - ミズアオイ | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)
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ギガンティア開花




ギガンティア開花


親株のギガンティアが開花しました。

開花初日完全に開いていないのかな?と思いきや、裏側見て目が点になりました。

がくが引っ付いてしまっています。これでは開かないはずです。はさみで手術しようかとも考えましたが今回はこのままにすることにしました。

そういえば去年の開花1号も蕾に穴が開いてそこだけ花びらがありませんでした。

これって、開花1号の恒例行事なのかも・・・




【2008/08/22 09:51】 Water Garden - スイレン | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)
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ベリーの収穫




ベリーの収穫


盆休みも終わり。今週末は少し忙しいので少し早いですがブルーベリーの収穫を行いました。

今回はブラックベリーとラズベリーの収穫もできましたが夏のラズベリーは食味が今ひとつでした。水不足かもしれません。

16日に収穫したところですので収穫量はこんなものです。

バルトウイン以外はほぼ終了しました。

ティフブルーはもう1回程度の収穫でおしまいです。

結構今年は放任栽培でしたが収穫量は過去最大でした。

お疲れ様の気持ちで本日硫安の水溶液を全ての鉢に与えました。

先週までの収穫 7.15kg
今回の収穫 440g

累計収穫量 7.59kg

【2008/08/21 19:55】 Berry's Garden | TRACKBACK(0) | COMMENT(0)
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N.Suwanna




N.Suwanna


7月に種を輸入して蒔いたN.Suwannaですが発芽率が非常に悪く何とか1つだけ発芽しました。乾燥していたので発芽率が悪いのか、休眠が深いため発芽しないのかは不明です。温帯種なら、低温要求時間がありますが熱帯種はどうなのでしょうか? いずれにしてもこの株がダメだったときは再度輸入して今度はジベレリン処理してから蒔いてみようと思います。


【2008/08/20 22:55】 Water Garden - スイレンの個人輸入 | TRACKBACK(0) | COMMENT(4)
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